今年も、もう6月。
令和になって、もう1カ月。
5月の、1年で一番バラが賑やかになる季節は、
そこにくるまでは、まだかまだかという感じなのに、
いよいよ目の前に展開されると、
疾走するかのように過ぎ去っていきます。
今年は、冬のバラの手入れをかなり頑張って、
(バラを育てて十数年、一番頑張ったかな?)
バラたちも、それにこたえてくれて、
庭仕事に頑張れなかった昨年、一昨年とはまるで違う、
賑やかで華やかなバラ庭が実現し、
嬉しいような、でも、終わってしまうことに焦るような、
そんなバラたちとの日々がおくれました。
↑↑ 下のピンクのバラは「レオナルド ダ ヴィンチ(Leonard da Vinci)」、
上は「バフ ビューティ(Buff Beauty)」
↑↑ 名前が長い
「スヴニール ドゥ ドクター ジャーメイン(Souvenir du Docteur Jamain)」
↑↑ ジャーメインの上の白いバラは、「プロスペリティ(Prosperity)」
↑↑ 咲き進むにしたがって、赤から深い紫色に花色がうつろうジャーメイン
玄関を出て左手にあるこのバラのコーナー。
縦格子のバラのフェンス(トレリス)は、
2012年から2013年にかけての冬の間に父がつくって設置してくれたもの。
その父が旅立ったのは、昨年、2018年7月7日、
七夕様の日の早朝間近のことでした。
前年の2017年5月14日に腹痛を訴えて緊急入院して、
そのまま3つの病院で1年2カ月を過ごしてのことでした。
2017年5月の入院時、その時もバラの最盛期。
病室に毎日通いながら、
「ほら、お父さんのバラフェンスに、こんなにきれいに咲いてるよ」と、
撮りためていた写真を見せると、「うん」とうなづいて、
写真をじーっと見ていた父。
下の2枚は、
その時に父に見せた「ホーム&ガーデン(Home & Garden)」で、
5月23日と、翌24日の様子。
↑↑ 2018年は5月の時点で毎日暑く、かわいく開き始めた翌日には、
こんな風にパーンと開いてしまっていました
父が、少しでも元気を取り戻して、
家に帰りたいなと思ってくれるといいなと、
そんな願いを込めて、
お父さんのバラフェンスのバラの写真を見せていたんだったなーと。
2年前のそんな日々のことも、まるで昨日のことのように感じます。
そして1年が過ぎた翌2018年の5月。
5月は父の誕生日があり、そして私の誕生日も。
16日、86歳になる誕生日の当日、
病室にグリーティングカードを持って行きました。
右上の「PUSH」というところを押すと、
オルゴール風の音で「Happy birthday to you~♪」
と奏でられるカード。
耳元に持っていって「聞こえる?」と聞くと「うん」と。
(カードの右下、ちょっと書くのに失敗してにじんでしまって・・・)
その日、
カードを手にしてもらって記念撮影をしようと思ったのですが、
それをするにはあまりにも眠そうで、
「また近々撮ろうね」と父に言い、その日はやめにしたのでした。
10日後の26日は私の誕生日、
そのことを父に話して、
「あ、そうだそうだ、お父さんの誕生日に撮れなかった写真、
今日撮ろうか? カードを持って写真撮ろうよ」と父に言うと、
「うん」とうなずいたので、ベッドに寝たまま、
左手にカードを持ってもらって2枚の記念写真を撮影しました。
それが、父の、生前最後の写真になることは、
その時にはまだ知り得ないことでした。
忘れられない誕生日というのはそうそうないけど、
これからは、この最後の写真撮影を思い出す、
そんな誕生日になるでしょう。
そして、その日も、病室に行く前に撮影した父のバラフェンスに咲く
「ホーム&ガーデン(Home & Garden)」を見てもらったんだよなと。
↑↑ これまた暑かった2018年5月26日、
咲いて開きすぎた「ホーム&ガーデン(Home & Garden)」
そして今年、2019年5月、ステムを長く伸ばして、
うつむくように咲きました。
↑↑ 2019年5月23日の「ホーム&ガーデン(Home & Garden)」
下の花のように、咲き始めの中央の花びらが2つだったり3つだったりに
分かれて巻き巻きしているのが、なんとも言えずかわいいバラ
これも父に見てもらいたかったなぁと思っても、
そんなことは叶いませんね。
でも、どこかで見てくれていて、喜んでくれているといいなと。
↑↑ 5月20日、間もなく大雨が降るということで、
まだ満開ではないけど、雨で散ってしまう前に撮影
バラが咲くにつれ、私が庭先にいるのを見つけた近所の方たちが、
「今年のバラはすごいね、きれいにたくさん咲いてきたね」と、
声をかけてくれて雑談することもしばしば。
お向かいの家のお母さんは、父のバラフェンスが設置された時から、
素敵素敵、いいないいなと何度も言ってくれてましたが、
今年は、
「お父さんの遺作と、〇〇〇ちゃんのバラとの競演だね。
お父さん、きっと喜んでるよ、見てるよ」
と言ってくれました。
うん、きっと見てくれてる。
きっと喜んでる。
そうだといいな。
↑↑ 夕暮れ時の様子
↑↑ 夕方近く、逆光の中の「レオナルド ダ ヴィンチ(Leonard da Vinci)」
今年、その美しさ、かわいらしさ、
そして、花持ちの良さ(長い開花日数)、丈夫さに感激して、
何枚も写真を撮っていたのが、
この「レオナルド ダ ヴィンチ(Leonard da Vinci)」。
↑↑ 朝陽に輝く「レオナルド ダ ヴィンチ(Leonard da Vinci)」
↑↑ 父のバラフェンスの主役、降り注ぐように咲いてくれた
「バフ ビューティ(Buff Beauty)」も朝陽にあたって嬉しそう
5月末、早咲きのはずが、
出開き(葉の展開後、花芽が育たない状況)が多くて、
4月になってから再剪定した赤バラの「ドン ファン( Don Juan)」も、
やっとお目覚め。
父のバラフェンスのコーナーに持ってきました。
多くを鉢植えで育てているので、バラフェンスのコーナーは、
咲いている状況による入れ替え制でもあります(笑)。
↑↑ 「ドン ファン( Don Juan)」、赤いバラは、実際の色が
そのまま撮影できることがまずないですね。難しい。
実際は、もう少し濃い、ベルベットのような質感のバラです
長くなってしまいましたが、
私が今年、バラの世話を頑張ったのは、
まぎれもなく、
父のバラフェンス周りをバラで華やかに美しくしたかったからです。
そして、父の仏前で、
「お父さんのバラのフェンスのバラ、すごくきれいだよ!
つくってくれてありがとうね」と言いたかったからです。
それが実現しました。
さて、そろそろ2番花が咲こうとしていたり、
つぼみを日々膨らませているバラたちですが、
もう、すぐに梅雨。
それに、バラだけでなく、
いろいろな草花たちが私の世話を待っている。
いや、待っていない?
自由にやらせてくれ、って?
暑さに弱い私なので、
ボチボチ、ボチボチ、やれる時にやれるだけ、
頑張りすぎずにやっていこうと思います。