台風15号による千葉県での停電、
一度は、今日中に全面復旧の見込みと言われていたのに、
明後日以降になると発表されました。
この残暑の中で電気が使えないこと、
さらには、上水道のくみ上げポンプも電気がないため使用できず、
給水にも支障をきたしているという、
ともすると命の危機につながってしまうほどの深刻さです。
思い至ってしまったのは、
父の入院が予想以上に長引いて、
やがて、食べられなくなっていったはじめの頃のこと。
入院前は、自宅で普通に食事ができていたこともあって、
主治医から、
一時帰宅することで、
すんなり食べられるようになるケースもあるので、
試してみませんか?と提案されたのでした。
1泊か2泊、自宅に帰ってみて、安心して寝起きすることで、
食べられるようになることも少なくはないという。
丸1日考えた私は、やはり一時帰宅はやめて、
続けて入院して様子を見ることに決めました。
父自身も、病院にいるほうがいいと。
帰宅をやめた理由は、
当時、夏の始まりで暑い日が続いていたため、
温度・湿度管理がゆきとどいた病室に比べて、
自宅では、家庭用のエアコンと扇風機とで、
快適な環境が保てないであろうことが一つ。
また、痰が多くなっていた父は、
何度もの痰の吸引が必要な日もあったこと。
その後の入院が続く日々の中でも、
やはり自宅に戻してあげて在宅介護にしたほうがいいのか?と、
ふと考えることはありましたが、それもままなりませんでした。
あの時、もしも一時帰宅していたら、
あの頃、もしも退院して在宅介護していたら、
そして、その時、停電になり、それが長引いたら。
そんなことを考えると、
今、まさしく介護の真っただ中で、
電気が使えなくて困り果てている人も大勢いるだとうと、
その不安や苦労を想像すると、ためいきが出てしまいます。
便利な生活の中で、大きな災害のことは考えても、
停電が長引くことに関しては、
実はそんなに思い至っていないことに気付いて愕然とする今回の危機。
今回のような時にそなえて、
停電エリアから、そうではない近隣の病院や施設、
あるいは受け入れ態勢のある一般家庭へと、
とくに命の危機がすぐそこにある高齢者や病気の人などを
移送できるような準備が必要なのではないかと。
そのような地域間連携と支援を、
行政と民間とが一緒になって進めていくべきかと強く思います。